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2011/04/12 (Tue) イケてない一日

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kangaroo


このくだりに出会えただけでも、この本を読んでよかったな、って思う。

きっと、数年前の私だったら、顔をしかめてしまうようなワンシーンなんだろうけど、ね。


「本当のことを言うと、誰かの結婚式に出るたびに眠くなるんだよ」と僕は告白した。「いつもいつも、きまってそうなんだ」
「まさか」
「嘘じゃない、本当にそうなんだ。自分でもよくわけがわからないけど、これまで居眠りをしなかった結婚式がひとつもないんだ」
 彼女はあきれた顔をしてワインをひとくち飲み、フライド・ポテトをいくつかつまんだ。
「何かのコンプレックスかしら?」
「見当もつかないな」
「きっとコンプレックスよ」
「そういえばいつも白熊と一緒に窓ガラスを割って歩く夢を見るよ」と僕は冗談を言ってみた。「でも本当はペンギンが悪いんだ。ペンギンが僕と白熊にむりやりそら豆を食べさせるんだ。それがものすごく大きな緑色のそら豆で・・・・・・」
「黙りなさい」と彼女がぴしゃりと言った。僕は黙った。
「でも結婚式に出ると眠くなるというのは本当だよ。一度はビール瓶をひっくりかえしたし、一度はナイフとフォークを三回も床に落とした」
「困ったわね」彼女は皿の上で肉のあぶら身を丁寧によりわけながらそういった。「あなた、本当は結婚したいんじゃないの?」
「だから他人の結婚式で居眠りをする、と」
「復習よ」
「潜在的願望によってもたらされる復讐行為?」
「そう」
「じゃあ地下鉄に乗るたびに居眠りする人たちはどうなる? 炭坑夫願望なのか?」
 彼女はそれにはとりあわなかった。僕はステーキを途中であきらめてシャツのポケットから煙草をひっぱり出し、それに火を点けた。
「要するに」としばらくあとで彼女は言った。
「あなたはいつまでも子供でいたいのよ」

―村上春樹 「カンガルー日和 『眠い』」 pg33-34
2007.08.05(22:11)|今日の一冊コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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プロフィール

snoms

Author:snoms
26歳(♀)

小六~高校:約7年弱、南半球オーストラリアで暮らし、
大学:四ツ谷にある大学で学び、
「東京」の大学の大学院で、ラテンアメリカの経済で修士修了。
現在、東京のど真ん中で、日本の貿易の活性化に努める日々。

毎日が
最高に刺激的で、
最高に楽しい。

旅が大好きだけど、日本も大好き。
写真も大好きだし、読書も大好き。

「人」が大好きなんだ。
人との繋がりを大切に、そんな毎日。

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